トンボ

気づいたら、上を飛んでいた。横を飛んでいた。あそこにとまっていた。ここをかすめていった。
いつのまにか、一緒にいた。 でも、バンコとは同じ方向は向いてない。 すぐにいなくなったりもする。
気まま、一番、自由なやつ。

女の子

いつも何かが気になっているのだ。不思議に思うことがあるのだ。
さなぎってなに?
この扉はなぜ開かないの?
どうして雨はふるの?
言葉ってなに?
この花は誰が落としていったの?
ひとりってこういうこと?
お母さんはそう言うけど、本当かしら?

コート男

いつか、バンコを闇の世界へ引き込もうと、いつも様子をうかがっている。すきをねらっている。
一見、コミカルだけれど怖いやつ。あっちの世界の使い。
だけどなぜか、愛の使いだったりもする。

ばあさん

子供に怖いと言われ、蜘蛛の子を散らしたように逃げられるが、それをニヤリと笑っている。
ユーモアたっぷり。ずるさもたっぷり、好奇心もたっぷり。
たくさんのものを亡くしたけれど、昔とすっかり変わってしまったけれど、
たくさんの愛を知っている。たくさんの恐怖をしっている。
自分が何でできているか知っている。

ちびバンコ

コート男に闇の世界へ引き込まれそうになったとき、後遺症として小さくなった。
小さいけれど、元気いっぱい。空を飛んだり、カバンをかけ上がったり。
しばらくすると元にもどるらしい。

あかちゃん

生まれたばかり。夢のパクリ。

さなぎ

たくさんの過去が溶けたもの。これから未来になるもの。
   
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